院進と学部卒どちらがメリットがある?就活の観点から両者の特徴をご紹介

2022年11月6日 更新

大学3、4年生の中には、大学院に進学するか、学部で卒業して就職

大学3、4年生の理系学生の中には、大学院に進学するか、学部で卒業して就職するか、迷われている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、就活におけるそれぞれのメリット、デメリットについてご紹介します。
どちらか一方が必ずしも良いということはないので、それぞれの特徴を抑えたうえで自身に合った選択をしましょう!

大学院について

大学院とは

大学院は、学部からさらに専門性を高め、特定の専門分野の研究を行う場です。
大学院には、修士課程(2年)と博士課程(3年以上)があり、学部から進学する場合は、修士課程に在籍することになります。
この記事では博士課程については触れず、修士修了後に就職をする方を対象としてご説明します。

院生の生活

研究

大学院生が最も時間をかけて取り組むのが研究です。
大学院の修了要件には学内での論文発表などが含まれているため、修士の2年次に修士論文を執筆する必要があります。
2年間で研究成果を出して論文にまとめるために、一般的には研究室での進捗報告が週1〜月1回の頻度で行われることが多く、コンスタントに研究に取り組む必要があります。
研究室によってはコアタイムがあり、平日の9時〜17時は研究室にいなければいけないルールを設けている場合も珍しくありません。

授業

基礎的な授業の多い学部生と比べると、専門的な授業が中心となる大学院は授業数は少なく、2年間で30〜40単位を取得する必要があります。
修士の1年次に研究以外の単位を取りきる人が多いため、本選考の時期と授業が被ることは少ないですが、授業期間中に開催されることが多い秋・冬インターンシップでは授業が被ってしまうことが珍しくありません。

院卒のメリット・デメリット

ここからは、大学院卒、学部卒それぞれの就活におけるメリット・デメリットをご紹介します。
就職活動に関しては、大学院進学が自身の大きなアドバンテージにつながる場合と、そうでない場合があります。
それぞれの特徴を知ったうえで、ご自身にはどちらが合っているかを考えてみましょう。

院卒のメリット

専門性が必要な仕事につきやすい

大学院では専門的に1つの分野を研究するため、企業は研究職、技術職に院生を採用したがっているケースが多いです。
特に研究職では研究の経験が求められやすく、採用条件に「修士修了見込み」があることも珍しくないため、大学院進学は自身の選択肢を広げることに繋がります。

ただ、優遇されるのは「自身の研究内容と関連性が深い場合」のみなので、研究室や研究テーマの選択は非常に重要になると言えます。
本当に興味を持てる研究なのか、自分の就きたい仕事と親和性はあるのか、といったことは大学院の進学前に確認しておくと良いでしょう。

論理的説明力が身に付く

座学でのインプットが中心の学部生に比べて、大学院では授業内での発表やゼミでの研究報告など発表の場が多いため、論理的に説明をする能力が身に付きやすい環境であることが多いです。
こういった能力はどの業界・業種でも求められるといっても過言ではなく、特に論理的思考力は理系学生が企業に期待されやすい部分なので、就活において大学院生に有利に働くでしょう。

教授やOBOGとのつながりから就活の情報を受け取りやすい

研究室の専門分野を活かせる業界・職種を選ぶ場合、OBOGや教授と企業の繋がりがあるため、スムーズに就職活動を進められるでしょう。
就活の進め方など参考になる情報が得やすいうえに、選考やインターンシップの案内がもらえることもあります。

先ほどと同様に、こちらの利点も研究内容と希望する職種がマッチしている必要があります。
大学院進学する方も、学部生の内に就職活動を通して色々な企業を見て、興味の幅を広げたり、自身の興味のある分野を見定めることで、納得のいく研究室選びと就職活動をするようにしましょう。

院卒のデメリット

金銭的にも、時間的にもコストがかかる

修士課程の修了には2年かかるので、当然のことではありますが学部卒に比べて社会に出るのが2年遅くなります。
大学院の学費だけでなく、その2年間働くことで得られていたであろう給与まで考えると、金銭的に大きな負担がかかることがわかります。

研究に忙しく、就職活動に時間がさけないリスクがある

院進した結果、研究と授業で思ったより時間が取られ就職活動に充分に時間がさけない場合があります。
限られた時間の中で就職活動をするため、限られた業界・職種しか見ることができず、満足のいく就職活動ができなかったということになりかねません。

そういった研究室とのミスマッチを防ぐために事前に研究室の情報収集をしたり、忙しい研究室に入る場合は、学部生の内に説明会や選考に参加しておくことで、予め自身の興味について知っておくことをおススメします。

学部卒のメリット・デメリット

学部卒のメリット

早く実務経験を積むことができる

大学院でも研究を通して得られるものはたくさんありますが、実際の業務と研究では目的が違うため、必ずしも実務に役立つとは限りません。
やりたいことがはっきりしており、早く仕事で一人前になりたいという方は、実際に働く中で経験を積んでいく方が自身のキャリアの近道になるでしょう。

先入観なく色々な企業・業界を見れる

就活中の学部生は研究を経験していない方も多く、その分視野を狭めずに業界・企業研究をすることができます。
また、研究と並行して就活をする大学院生と比べてインターンシップや選考に割ける時間も多いため、興味を持った企業の話をしっかり聞いたうえで企業選びをすることができます。

学部卒のデメリット

専門性を求められる求人に応募できない可能性がある

研究職等の高い専門性が求められる仕事では、採用条件に「修士修了見込み」が入っている場合があります。
決して多くはありませんが、受けたい企業や職種がはっきりしている場合は採用条件を事前に確認しておくようにしましょう。

就活でアピールできる経験が少ない

研究について話せる大学院生と比べて、学業、アルバイト、就活の両立で忙しい理系の学部生には、「1つのことに打ち込んだ経験」が無いと悩まれている方も少なくありません。

何かに打ち込んだ経験は「学生時代に力を入れて取り組んだこと」として伝えやすいエピソードではありますが、必ずしも必要なわけではありません。
大事なのは「結果や内容の大きさ」ではなく、思考や行動の「過程」なので、効果的に伝えることで、両立をしていたという経験からも自身をアピールすることはできます。

過去の経験の効果的な伝え方やエピソードの選び方については、「理系学生必見!ガクチカのポイントとテーマの選び方を解説します」にて詳しく書かれていますので、参考にしていただければと思います。

就活をしたうえで院進学か学部卒かの選択をしよう

それぞれのメリットやデメリットを頭で考えるだけでは、決めきれない学部生も多いと思います。その場合は、就職活動と院進学の対策を両方行いましょう。

実は、インターンシップを含めた就職活動の期間は3年生の夏〜4年生の4〜6月となる一方、院進学の試験は4年生の夏に行う大学が多く、内部進学の場合では4ヶ月〜半年程度の対策で十分なため、就職活動を行なってから院進学の対策をしても十分間に合います。(参考:理系学生の就活スケジュール
理系学生の方々は、大学で学んだ専門性を活かして働く方も多いので、就職活動をして、働くイメージや必要とされる知識やスキルが何なのかを理解したうえで、院進学をする方が、こと就活に関してはかなり効率的で効果的だと言えます。

重要な選択をするにはまずは、自分が体験をしてみないと正しい選択をすることは難しいので、ぜひ積極的に情報を取りに行ってください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

大学院進学はメリットとデメリットどちらもあるため、それぞれの特徴を知ったうえで、どちらが自身に合っているかを考える必要があります。
それを考えるにあたって、自分が就きたい業種・職種について事前に知っておくことが重要になります。

大学院進学した場合にも、企業分析や自己分析の経験は研究と就活の両立に非常に役に立つので、今のうちに説明会やインターンシップに積極的に参加し、スムーズに就活を進められるようにしましょう!

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