意外と知られていない機械・電気系学生の就職先 機電学生が活躍できる建設業界の職種をご紹介

2022年12月17日 更新

理系学生が就活をする際に人気の業界として挙げられるのが、メーカーやIT業界です。

これらの業界は大学や大学院で学んでいることからイメージしやすいため、漠然と就職先の業界として考えている方も多いと思います。

しかし、理系学生が活躍できる業界は上記の2つ以外にもあり、その中でも今回は建設業界についてご紹介します。

建設業界は建築や土木を学んでいる学生が進む業界というイメージを持っているかもしれませんが、他の分野を選考している学生の方でも十分活躍ができる業界であり、企業側も建築分野以外を学んでいる学生を積極的に求めていることをご存知でしょうか?

今回は主に機械や電気を選考している学生の方が、建設業界に就職活動する際のメリットやどのような職種があるのかをご紹介します。

就活をする際に多くの業界を知っていると、自分自身の可能性を広げることや、比較の対象が増えることによってそれぞれの業界の特徴を理解するのに役立ちます。

本記事を業界研究の1つとしてぜひ参考にしていただき、今後の就活に役立ててください。

理系学生が建設業界へ就職活動するメリット

今まで建設業界を就職先の選択肢として考えていなかった方にとって、建設業界はあまり馴染みのない業界かもしれません。

そのため、まずは理系学生が建設業界に就職する場合のメリットについてご紹介します。

これからメリットとして紹介する項目は、あくまで他の業界と建設業界を比較したときの特徴であり、建設業界の全ての企業に当てはまるわけではありませんので、業界の全体像を理解するための情報として参考にしてください。

他の理系学生にあまり知られていない

後ほど職種の項目で詳しくご紹介しますが、建築、土木の仕事の工程で、機械や電気の知識は不可欠であり、それぞれ専門の職種が存在します。

そのため、ゼネコン企業を筆頭に多くの建設業界の企業は建築や土木の学生と並行して、機械や電気を学んでいる学生の採用活動を行っています。

しかし、建設業界が機械や電気を専攻している学生を採用していることを学生側はあまり認知していないため、そもそも就職先の選択肢に上がらない場合が多いのが現状です。

そのため、需要はあるけれど認知が少なく、機械、電気を学んでいる学生にとって狙い目の業界の1つと言えるでしょう。

大手企業や良い待遇の企業に就職しやすい

前項でもご紹介したように、建設業界は学生からの認知が低いため、メーカーなどの業界と比較すると、比較的大手の企業に行きやすい業界と言えます。

また、新卒を採用している建設業界の企業は創業からの歴史がある場合や、専門的な分野のシェア率が高い場合など、安定した経営の企業が多く、一般的な知名度が低いような企業でも給与や福利厚生などの待遇面では大手と比較しても遜色ないような企業が多く存在します。

大きな仕事を任されるチャンスや最新の技術に触れる機会がある

3つ目が若手のうちから大きな仕事を任される機会が多い点です。

ゼネコン企業を例に上げると、機電職の社員数は全従業員数の約5〜10%で、建築や土木の職種と比べると少ないため、若手のうちから大きな仕事を任される機会があります。

また機電部門では、ICT・IoT・AIを活用した新たな建設機械の開発、新工法の企画・提案等など、最新の技術に触れる機会や、研究開発に携われる機会がある点も魅力の1つと言えるでしょう。

建設業界の中での機械や電気系の職種をご紹介

続いては、建設業界の中で機械や電気系の職種をご紹介します。

各職種の仕事内容から、建築や土木の工程の中で、機電の知識をどのように活かすことができるのかをイメージする参考にしてください。

建築領域における機電系の職種について

設備設計職

設計とは建築物を建てるうえで、対象の構造や製作法を整理し、計画を図面に起こす仕事です。

設計の種類としては、意匠設計、構造設計、設備設計に分かれ、この中で設備設計が機電の知識を必要とされる職種に該当します。

設備設計とは建造物内の電気、ガス、給排水、空調などの設備を適正に配置する計画を立てる業務で、設備設計の中にも、
配管空調設備、電気設備、上下水道処理設備設計、排煙脱硫装置設計、FA(ファクトリーオートメーション)設備設計、上下水道処理設備
など多様な分野に分類され、各分野で高い技術力や専門性が求められます。

建物の見た目や雰囲気は外観・室内空間をデザインする意匠設計によって決まりますが、建造物の過ごしやすさは、内側の設備を設計する設備設計の仕事によって決まります。

そのため、設計の中でも目立つ仕事ではありませんが、建築の工程では欠かせない仕事と言えるでしょう。

現在、設備の専門家としてのノウハウを持った設計士は業界で不足傾向にあり、今後も環境問題やSGDsの関心が高まる中、環境に配慮し、建物のエネルギーを最適化する設備設計の需要は高くなると考えられているため、機械電気系の知識を持つ学生が求められています。

設備設計職については「機械・電気系の学生が活躍できる建設業界の設計職 設備設計とはどんな職種?」にて詳しく書かれていますので、より深く知りたい方は参考にしてみてください。

設備系の施工管理

施工管理は、建設工事現場において、工程管理・品質管理・原価管理・安全管理・環境管理などを中心として施工管理を行う職種で、建築や土木を学んでいる就活生に人気の職業です。
業種としては、建築・土木・設備と大きく3分野に分類され、設計と同じく設備の分野で機電の知識が求められます。

設備系の施工管理は、上記でご紹介した設備設計によって計画された設備を実現するために、クライアントの要望や立地に最適となる設備の選定、各メーカーや専門工事会社との連絡調整や工程管理などを行い、人々が安全で快適に生活できる設備環境を提供するのが主な業務内容です。

また、建造物完成後の設備更新や新しい設備の提案・施工に関しても業務に含まれる場合があります。
一般的な施工管理と同じく、設備系の施工管理職では、職人やクライアントとの打ち合わせや連絡が多く、コミュニケーション能力や、工期通りに工事を進めるスケジュール管理能力が求められる職種です。

施工管理職については「建築・土木だけじゃない!機械・電気系の学生が活躍できる施工管理職 設備施工管理の仕事内容とは?」にて詳しく書かれていますので、より深く知りたい方は参考にしてみてください。

土木領域における機電系の職種について

ここまでは主に建築分野の仕事をご紹介しましたが、続いては土木分野の職種をご紹介します。

一般的に土木機電と呼ばれることの多いこちらの仕事内容は、一言で説明すると土木工事で使用する機械に関する業務を担当する仕事です。

土木工事では、シールドマシンや橋形クレーン、泥水処理プラント、坑内通信システムなどの機械が用いられる場合があります。
土木工事の仕事内容は、これらの機械のメーカーへの発注や工事における仮設計画、メンテナンスや予算管理、施工時のトラブル対応など業務の範囲は多岐に渡ります。

シールド工事やトンネル工事、ダム建設など関わる分野は、動かす金額も大きいため責任が大きいですが、スケールの大きい工事に携われる点は、土木機電の大きな魅力と言えるでしょう。

その他の建設業界での機電系の職種について

プラントエンジニア

プラントエンジニアに関しては、言葉の定義や業務の範囲などは正確には決まっていませんが、プラントとは、工場設備を示し、プラントエンジニアとは工場関連の設備を作る仕事とされています。

プラントエンジニアの仕事内容に関しても、企業によって業務内容は異なりますが、一般的には、プラントの設備や機械の開発から設計、運用、保守までの一貫した業務がプラントエンジニアの仕事です。

プラントの種類に関しても化学品・医薬品・食品工場など、様々な分野のプラントの建設に携わるため、建築や土木だけでなく、化学や電気、機械を専攻した学生が求められています。

国内でのプラント建設は成熟してきており保守や管理の仕事がメインとなっているため、現在新設では海外での事業がメインとなっており、海外での仕事が多いのもプラントエンジニアの特徴の1つです。

さらに世界規模で関心が高まっているエネルギー資源に直接関わる職種であることや、国レベルでの事業に携わることができる点も魅力の1つと言えるでしょう。

プラントエンジニアについては「様々な専攻分野の理系学生が活躍できる プラントエンジニアの仕事内容から魅力までをご紹介」にて詳しく書かれていますので、より深く知りたい方は参考にしてみてください。

工事の進行を支える機電職

上記の設備設計や設備系の施工管理は建築物を建てる工程の中で必要になる設備系の職種でしたが、ゼネコンなどの建設会社の中には現場内の機械や電気の計画や管理をし、工事の進行を支える機電職も存在します。

具体的な仕事内容としては、建物を建てる上で必要なタワークレーンや工事用エレベータなど、機械の組立や配置、現場での電気の幹線引きを行います。

また、工事期間中は機械を操作するオペレータが安全に作業を行えるように、毎日作業を確認する書類を作成する業務や、工事の進行状況に合わせて、証明の種類や数の変更、そして、機械が動かないなどの不具合の対応も業務に含まれます。

こちらの職種は表立って目出つことは少ないですが、日々変化していく現場に合わせて、機械や電気設備を配置するために、常に現場全体を把握する必要があるため、現場を裏で支える重要な職種です。

建設コンサルではより上流工程の職種も

建築分野でご紹介した、設備設計職や設備系の施工管理は主にゼネコンにおける機電系の職種ですが、建設業界の中ではゼネコン企業よりも上流工程の仕事を担当する建設コンサルタントという業界でも機電の学生を募集しています。

建設コンサルタントは、河川、ダム、海岸、道路、橋梁、下水といった、社会資本整備の企画立案から調査・計画、設計、維持管理、いわゆる上流工程を担当する業界です。
また、海外では水力・火力発電所、送変電設備、配電設備、再生可能エネルギー設備などの調査、計画(マスタープラン)立案、基本・詳細設計、施工監理などの業務を実施します。

これらの公共施設でも、機械・電気設備は不可欠なため機械系、電気系を学んでいる学生のニーズが高い就職先となっています。

まとめ-理系学生が建設業界の会社を探す方法-

今回は理系の中でも特に機械系、電気系を専攻している学生が建設業界に就職する場合の職種、そして各職種の仕事内容についてもご紹介しました。

今回の記事を読んで少しでも建設業界に興味を持った方はぜひ業界選びの候補に建設業界を含めて就活を進めてみてください。

また、建設業界の企業の探し方についてですが、
リクナビやマイナビなどの就活サイトで建設業界の企業を探す方法もあるものの、建設業界にあまり詳しくない方が、企業が設備職を募集しているのかや、自分の就活軸にマッチした企業かを見分けるのは意外と難しい場合があります。

リケシュウでは機械、電気系学生の方に関する建設業界の就活に詳しいキャリアアドバイザーが多く在籍しております。

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