業界の構造や職種を理解して 自動車業界の全体像を把握しよう

2022年11月6日 更新

理系学生の就職業界としてメーカー業界は人気の業界の1つですが、その中でも自動車業界は日本を代表する業界である点や、市場規模の大きさなどから特に人気のある業界です。

しかし、自動車業界と一括りに言っても、自動車の製造から顧客の元に届くまでには多くの過程が存在し、また自動車の修理やレンタカーなども自動車業界と捉えられる場合もあるため、自動車業界には多くの企業が含まれています。

今回は自動車業界の全体像を理解するために、自動車業界の構造から、自動車業界の代表的な職種や仕事内容、さらには業界の将来性についてご紹介します。

自動車業界に興味のある方や業界の全体像を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

自動車業界の構造

冒頭でもお伝えしたように、自動車は何万点もの部品で構成されており、部品の調達から自動車が顧客に渡るまで非常に多くの企業が関わっています。

そのため、ここでは自動車業界の主要となる4つの分野をご紹介します。

自動車(完成車)メーカー

自動車(完成車)メーカーは、下請け企業によって製造された部品を組み立て、自動車を完成させる企業で、自動車メーカーと聞いて一般的に思い浮かべるトヨタやホンダ、日産といった企業が自動車メーカー(完成車)に該当します。

また、新車の企画や、設計、開発なども自動車メーカーの業務です。

自動車を製造する際に、1から全てを自動車メーカーが担うわけではなく、次に紹介する自動車部品メーカーから仕入れたパーツを使い自動車を組み立て、完成した車を自動車ディーラー(販売会社)に卸売りすることで利益を上げるビジネスモデルになっています。

自動車部品メーカー

上記で紹介した自動車メーカーへ、必要な各部品を販売する企業が自動車部品メーカーです。

自動車には、タイヤやエンジン、ブレーキ、シートに使う繊維など、小さな部品まで含めると約3万点の部品が使われており、それぞれの部品を専門メーカーが製造しているため、自動車部品業界には非常に多くの企業が存在します。

また、自動車部品業界は、ツリー状の構造になっています。

こちらは上記で紹介した完成車の自動車メーカーを頂点を頂点として、自動車メーカーへ直接部品を納入、販売するタイプ の自動車部品メーカーを「ティア1、1次サプライヤー」、ティア1メーカーへ部品を納入するメーカーが「ティア2、2次サプライヤー」、その下に「ティア3、3次サプライヤー」「ティア4、4次サプライヤー」と続いています。

そのため、全ての自動車部品メーカーが自動車メーカーに部品を提供しているわけではありません。

このように同じ自動車部品業界でも、階層によってもそれぞれの役割や製造する製品などが異なるのが自動車部品業界の特徴です。

今回は自動車部品業界を1次サプライヤーと2次サプライヤー以降に分け、それぞれの特徴をご紹介します。

1次サプライヤー

1次サプライヤーは自動車メーカーと直接やり取りをしながら部品の開発、製造を担い、新たな車種の開発に向けた部品の提案なども行います。

一般的に自動車部品メーカーとして認識されているデンソーやアイシンなどの企業は、1次サプライヤーに属する企業群です。

自動車部品会社は、大きくメーカー系部品会社と独立系部品会社の2つに分類されます。

メーカー系は特定の自動車メーカーへ部品やシステムを作ることが主な仕事となり、自動車メーカーとのつながりも強く、資本提供や人材派遣を受けてる場合もあります。

対して、独立系メーカーは国内外問わず多くの自動車メーカーにビジネスを展開しているため、さまざまな自動車メーカーに対して1つの部品を提供するビジネスモデルです。

部品メーカーであるサプライヤーは、基本的にはお客様から頂いた仕様に基づいて、製品やサービスを設計・開発します。
しかし、サプライヤーにかなり裁量がある場合や、車両開発の早い段階から参画、提案を行うなど、企業や分野によって異なるため、気になる企業は事前に仕事の範囲を調べておくと良いでしょう。

また、近年では自動車のあり方そのものが変化しているため、サプライヤーの役割に関しても製品の開発、製造だけでなくサービス体系の構築などのビジネスモデルまでトータルで企画提案するケースが増えているなど、自動車部品メーカーの位置付けもにも変化があるようです。

2次サプライヤー以降

2,3次サプライヤーは自動車部品メーカーに部品を供給する企業群です。

2,3次サプライヤーは自動車部品を製造するための素材や部品を製造するため、素材メーカーや電子部品メーカーなどの企業が当てはまり、一般的に自動車部品メーカーと認識されていない場合が多いです。

しかし、、素材メーカーであれば次世代の自動車開発に向けて軽量素材の研究や開発、電子部品メーカーであれば自動車のあらゆる機能の電子制御など、近年はその存在感が高くなっており1次サプライヤーを経由せず、直接自動車メーカーと取引を行う企業も現れています。

自動車ディーラー

自動車ディーラーは、自動車メーカーが製造した自動車を販売する企業です。トヨペットやHonda Carsなどがこれに該当し、完成した車を自動車メーカーから仕入れ、それを販売するというビジネスモデルです。

自動車ディーラーは、自動車メーカーとの結びつきが強く、自動車メーカーに就職した場合も、最初の数年間は自動車販売会社に出向する場合などもあります。

その他の自動車関連サービス

自動車の製造や販売以外にも自動車に関連するサービスを提供する企業も自動車業界に含まれます。

自動車関連サービスには、自動車修理や中古車販売、カー用品の販売、駐車場サービス、損害保険会社、レンタカーなどが含まれ、またカーナビやリクライニング機能といったシステムを提供する企業なども自動車関連サービスに当たります。
自動車に関連するサービスは非常に多岐に渡るため、興味のある方はぜひ業界研究の一環として調べてみましょう。

自動車業界の職種・仕事内容

ここからは自動車業界の職種、そして職種ごとの仕事内容についてご紹介します。

今回は自動車業界の中でも自動車メーカー、そして自動車部品メーカーに焦点を当てて、理系学生に関連の強い職種を中心にご紹介します。

研究開発

研究開発職は、主に新たな技術の研究や、新商品の設計などをおこなう職種で、製品の技術開発や、材料の研究、製品設計など、機械、電気、情報、化学といった様々な分野の技術者が研究・開発・設計を進めています。

研究開発の業務内容は多岐にわたり、実験や、データ収集、検証など、新製品開発や既存製品の改良に必要な研究を行います。
また研究によって得られた結果をもとに、製造時の安全の確保や製造コスト計算、モニタリングなど製品化に関しても研究開発職の業務です。

調達

調達の仕事は、自動車部品製造に用いる部品や材料の仕入れです。

すでにご紹介したように、自動車業界はピラミッド型の構造になっているため、自社で製造する部品や素材は別の企業から仕入れます。
新しい部品や製品を製造するために適切な部品や素材を製造、販売している企業を探し、より安く、かつ安定的に仕入れてくることが調達の仕事では求められます。

生産

生産分野では自動車や部品を製造する際の生産企画やスケジュール管理、品質管理などを担当します。
研究開発が新しい技術や製品を生み出す職種であるのに対し、生産部門では、製品をどのように量産するかを考える役割を担います。

生産部門には、
この先の需要を予測し、生産数の増減を管理する「生産管理職」、
需要に対して過不足なく部品を調達し、納品期日に間に合うよう、効率的な製造ラインを作る「生産技術職」、
自社が製造する製品が顧客が求める品質になっているか確認する「品質管理職」
などの職種に分かれています。

生産部門は多くのメーカー企業に存在する職種のため、他の業界の生産部門の仕事内容も調べたうえで、共通する部分や異なる部分などを探して、各業界の理解を深めていきましょう。

企画・販促、営業

その他にも企画・販促職、営業職といった大学時代の専門分野に関わらず、応募できる職種も存在します。

営業職は企業のサービスをクライアントに提案、販売
企画・販促職は商品企画やマーケティング

といったように基本的には他の業界と企画・販促職、営業職と同じ仕事内容です。

自動車業界の将来性

ここまで自動車業界の構造や職種についてご紹介しましたが、最後に自動車業界の将来性について、近年の自動車業界でトレンドとなっているCASEというワードと共にご紹介します。

次世代クルマの方針「CASE」

CASEは、C=connected(コネクティッド)、A=Autonomous(自動運転)、S=Shared&Service(シェアリング&サービス)、E=Electric(電動化)の頭文字をとった略語で、この4つワードが、自動車メーカーのビジネスモデルを変え、現代の自動車技術はCASEを基軸に発展していくと考えられています。

Connected 自動車のIoT

コネクテッドは、自動車に通信機器やセンサが搭載されIoT化が進み、車や周辺の状況、道路状況など取得したデータをインターネットを介して活用していくものです。

自動車に内蔵された通信機器により、車両の状態や交通状況といったデータを収集・分析・共有することで、スムーズで安全な移動を実現しようとする試みです。さらに、5Gなどモバイル通信の高速化と遅延解消によって、それぞれの自動車がデータの解析を行う、エッジコンピューティングの発想も取り入れられています。

Autonomous 自動運転技術

自動運転に関しては、自動運転のレベルが0-5の6つに分かれており、現在の自動車に搭載されているADAS(先進運転支援システム)はレベル1~2の技術です。

レベル4からは、運転の主体が「人」から「車」に変わり、ドライバーが不在になり完全自動運転になるという違いがあり、レベル4以降の実用化には法整備なども必要とされています。

現状は2030年頃に完全自動運転が実現されると考えており、自動車メーカーの研究、開発が力を入れている分野の1つです。

また、自動運転の実現のためにはソフトウェアの開発などよりIT分野との関わりが深くなります。
そのため、GoogleなどのIT企業など、業界の枠を超え様々な企業が研究、開発に取り組んでいる分野であると言えます。

Shared&Service 所有から共有へ

シェアリング&サービスは「カーシェアリング」や「ライドシェアリング」といったサービスのことを指します。

今までは自動車は所有するものとして考えが、主流でしたが、日本での自動車は稼働しているのが10%で残りの90%は駐車場で止まっているとも言われています。

今後自動車のIoT化や自動運転の技術などが普及するにつれ、「移動」というサービスを提供するためのツールのひとつという扱いになり、「自動車は必要なときにだけ借りる」「みんなで共同所有する」という考えがさらに広まっていくと考えられています。

現状でも都市部ではカーシェアリングのビジネスが成長しており、世界ではUberをはじめとしたライドシェアサービスが急速に成長している点からも、市場規模は今後も拡大していくでしょう。

Electric 環境問題への取り組み

SDGsへの関心を含め、環境問題への取り組みは業界を超えて全世界から関心を集めるトレンドとなっていますが、自動車業界は製造や販売、廃棄の工程におけるCO2排出による環境負荷が特に大きいと考えられています。

日本でも政府が「新車はすべて電動にする」という目標を掲げているように、現在多くの自動車メーカーが電気自動車の開発に取り組んでいます。
そのため、業界研究をする際には各自動車メーカーが電気自動車に対してどのような研究、開発を進めているのか、自動車部品メーカーであれば、電気自動車とどのような関わりを持っているのかを調べてみましょう。

まとめ

今回は自動車業界について、理系の学生と関連が深い部分を中心にご紹介しました。

自動車業界は最後にご紹介したCASEに代表されるように、様々な分野で発展が期待されている業界です。
そのため、自動車に興味を持つだけでなく、今後の自動車のどのような部分の発展に関わりたいのかを事前に考えておくと、より将来のビジョンをイメージしやすくなるでしょう。

また、電気自動車はガソリン車に比べて部品点数が少なく、参入障壁も低いため、新興企業や異業界の大手企業が電気自動車マーケットに参入し、より国際的な競争率が高くなると予想されています。
その中で、自動車メーカーであれば、企業が中長期的どのような経営企画を立てているのか、自動車部品メーカーであれば、電気自動車や自動運転技術へどのような関わりがあるのかを調べると企業ごとの比較ができ、企業の将来性を調べるうえでも役立ちます。

自動車業界は鉄鋼や機械、電子部品など、多くの業界と密接な関係にあります。
今回ご紹介した自動車部品メーカーの2,3次サプライヤーなど、一般的には自動車部品メーカーと知られていない企業でも、自動車業界と関連性の高い企業は多く存在します。

他の業界を目指している方や業界が絞り切れていない方など、ぜひ自動車業界をきっかけに業界研究を進めていきましょう。

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