技術職志望の理系学生必見!職種が多様な家電メーカーの仕事内容と業界の動向をご紹介します
生活と密接した製品を手がける家電メーカーを就職先の候補として考えている理系学生も多いのではないでしょうか。
家電メーカーには多くの技術系の職種があり、機械、電気、情報系の職種など多岐にわたるため、専攻に関わらず多くの理系学生が技術者として活躍できる環境があります。
そこで今回は、家電メーカーの概要、技術職種を中心とした仕事内容、業界の現状と課題についてご紹介します。
家電メーカーとは?
家電メーカーとは洗濯機やテレビ、調理器具といった家電製品を製造、販売する企業で、家電、医療、半導体、電子機器などのメーカーから構成される電気業界に属しています。
代表的な国内企業としては、日立製作所、パナソニック、三菱電機などが挙げられます。
多くの家電メーカーはメインで家電を取り扱う一方で、医療機器や半導体、電子機器など幅広く製造を行なっています。
家電メーカーの仕事内容
家電メーカーの職種は技術系職種と事務系職種で大きく分類されていることが多いです。
それぞれの仕事内容についてご説明します。
技術系職種
研究開発職
研究開発職はR&D(Research & Development)と呼ばれる職種で、将来的に良い製品を世に出すために新しい技術の開発を行います。
企業がこれまでに研究してきたことや、今後必要となる技術について基礎研究を行い、社内に知見を貯めることが役割です。
高い専門性が求められる職種であり、採用条件に「修士、博士修了以上」が含まれていることが珍しくないため、応募をする前には注意が必要です。
設計開発職
設計開発職は製品企画を基にして、技術を用いて実際に製品化する職種です。
製品に使用する素材や構造の設計を行う「機械設計」、回路や基盤の設計を行う「電気設計」、家電製品を制御する組み込みソフトウェアを設計する「ソフト設計」など細かく分かれています。
この設計を基に生産が行われるため、顧客に提供する製品の詳細を決める重要な役割だといえます。
生産技術職
製品の生産過程の中で、品質を保ちつつ生産コストを削減することが役割です。そのために製造技術の新たな開発、製造設備の導入、生産ラインの見直しをすることで生産効率の向上や、生産時間の短縮を図ります。
品質管理職
生産された製品の品質を検査し、品質を保証することが役割です。
また、不良品が見つかった場合はその原因の究明し、再発防止のために生産システムの調整を行います。
不良品を流通させてしまうと顧客からの信用を失ってしまううえ、大規模リコールといった大きな損害に繋がりうるため、正確さが求められます。
事務系職種
製品を顧客に届けるための営業・マーケティング職や、会社を経営していくうえで必要となる、人事、経理、法務などのバックオフィス系の職種があります。
家電メーカーの現状と課題
かつて日本の家電メーカーは世界的にも高い技術力が評価され、国内外共にトップクラスのシェアを誇っており、高度経済成長に伴って家電市場は拡大し続けていました。
しかし、家電の普及が進んだことにより次第に国内での購買力が落ち、海外市場でも中国や韓国のメーカーが台頭することで競争が激化しています。
近年変革が求められている国内家電メーカーの現状と課題について詳しくご説明します。
AV機器の需要低迷
ネットが普及し、ネット動画サービスが充実したことにより、テレビやオーディオレコーダーといったAV機器の市場規模は減少傾向にあります。
AV機器は家電メーカーの主力商品の一つだったため、多くのメーカーの業績に影響を与えています。実際、三菱電機は2021年に液晶テレビ事業の大幅縮小を発表しました。
今後もテレビを中心としたAV機器需要の減少は続くことが考えられるため、各社共に対応に迫られていると言えます。
垂直統合モデルからの転換
国内家電メーカーの業績が低迷した原因の1つとして、多くの企業が「垂直統合モデル」にこだわったことが挙げられます。
垂直統合モデルとは、商品の企画から、部品の製造、組み立て、販売まで全て自社内で行うことで、コストカットや最先端技術のノウハウの流出を防いだり、ヒット商品になった際に大きな利益を得ることができます。
しかし、このような他社の製品を活用しない方式では、新たな顧客ニーズにすばやく柔軟に対応することが難しくなります。また、工場などの生産設備への巨額な投資が必要となり、想定より売り上げが見込めなかった場合は過剰設備に陥り、大きな赤字に繋がってしまいます。
実際にシャープやパナソニックはテレビのパネルの自社生産に巨額の投資を行ったものの、工場の稼働率低下によって大幅にコストがかかり、それによって2012年に大きな赤字を生んでいます。結果、同年にシャープは現在の親会社となる鴻海グループという電子機器の受託生産サービス企業との協業を決め、垂直統合モデルからの転換をしています。
消費者の購買行動が流動的に変わりやすい現在においては、垂直統合に固執せず、生産を委託する「水平分業モデル」を取り入れて生産スピードを向上させることや、様々な製品を作るのではなく、自社の強みといえる製品に集中して投資を行うことが重要となってきています。
高付加価値商品の展開
国外メーカーとの激しい価格競争もあり、高付加価値の製品に路線変更する企業が増えています。
依然として日本の家電メーカーの技術力は高く、その強みをより生かすために、高利益、高付加価値商品の生産が盛んになっています。
代表例としては、家電をインターネットで繋ぐ、IoT家電があります。
家電がインターネットと繋がることで、スマートフォンのようなデバイスから遠隔で操作ができるようになったり、購入後にアップデートをし、新たな機能を加えることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
家電メーカーには様々な職種があるため、多くの理系学生が自身の専門性や素養を活かせる環境となっています。
業界全体として順調に伸びているとはいえませんが、現状を打破するために各社ともに様々な取り組みをしています。
家電メーカーに応募する際には、業界の現状を踏まえたうえで、企業がどんな製品を作り、どのような取り組みをしているかを調べて企業選びをするようにしましょう。
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