情報社会に必要不可欠な情報機器・通信機器メーカーを詳しくご説明します!

2023年7月10日 更新

情報化が進む現代において、パソコンやスマートフォンなどの情報機器や通信に使われるルーター、モデムなどの通信機器は必要不可欠なものとなっています。

あらゆる産業において情報機器・通信機器が使われており、今や私たちの生活はこれらの機器なしでは成り立たないといっても過言ではありません。

情報機器・通信機器とはどのようなものか

情報機器・通信機器メーカーについて述べる前に、情報機器・通信機器とはどのようなものを指すのか詳しくご説明します。

情報機器とは

情報機器とは、主に情報の処理、保存、入出力、伝送などの機能を持つ電子機器のことです。情報機器にはパソコンやスマートフォンなどのコンピュータを内蔵した機器やその周辺機器などが含まれます。

通信機器とは

通信機器とは、無線、有線による通信に必要な機器のことです。通信機器には電話やトランシーバー、ルーターなどがあります。

また、スマートフォンやファクシミリ(FAX)など情報処理と通信機能を併せ持つ機器が増え、情報機器と通信機器の境界が曖昧になってきています。

情報機器と通信機器の関係

ここでは、情報機器と通信機器の関係をインターネット接続の例を用いて説明します。

インターネット接続は上記の図のような流れで行われます。パソコンやスマホなどの情報機器からの通信方法は、有線通信と無線通信(wifi、4G、5G)があります。

自宅や会社などの建物の中ではルーターを介して、契約している事業者の回線を用いてインターネット接続をします。屋外などルーターがない場所では、携帯会社と契約している4G、5G回線を用いて近くの基地局へ通信します。

インターネットの通信回線には光通信(光回線)と電話回線の二つがあります。

光通信の場合は、パソコンやスマホなどの情報機器の電気信号(デジタル信号)をONUと呼ばれる通信機器で光信号に変換して、光ファイバーを通して収容局まで通信します。
電話回線を使った通信の場合は、情報機器のデジタル信号をモデムと呼ばれる通信機器でアナログ信号に変換して、銅線でできた電話回線を通って収容局まで通信します。

その後、契約しているプロバイダを介してネットサーバーに接続します。

このように、スマホやパソコンなどの情報機器とルーターやモデムなどの通信機器の両方があることによってインターネット接続が成り立っており、両者は密接な関係にあります。

情報機器・通信機器業界について

ここまで、情報機器・通信機器について概要やそれぞれの関係、代表的な機器を紹介しました。ここでは情報機器・通信機器業界のビジネスモデルや注力していることについてご説明します。

情報機器・通信機器業界のビジネスモデル

情報機器・通信機器の多くは、電子機器であるため、電子基盤上に集積回路(CPU、メモリ、ストレージ)や抵抗、コンデンサといった電子部品が搭載され、パッケージングされることで作られています。
情報機器・通信機器メーカーは、これらの電子部品を部品メーカーから仕入れて、それらを組み立てることで情報機器、通信機器として販売しています。

部品を自社で作らず、他社から仕入れていることには理由があります。
電子機器のメインとなるCPUやメモリなどの集積回路(半導体)は技術競争が激しく、高性能な集積回路を安く作るには技術開発や設備に多額の投資をする必要があり、かつ大量生産することで初めて格安で提供することができます。

そのため、情報機器・通信機器をはじめとする電子機器メーカーは、多額の投資や大量生産をしている集積回路メーカーから安く部品を仕入れて搭載することで、結果的に安価で高性能な情報機器・通信機器を顧客に販売することができています。

情報機器・通信機器メーカーが注力していること

電子機器産業には「Electronics Manufacturing Service」の略でEMSと呼ばれる、電子機器の生産工程である開発・設計・製造・物流管理を幅広く受託するビジネスモデルが存在します。

情報機器・通信機器メーカーの中にはこのEMSに開発・設計・製造・物流管理を一部またはすべて委託する場合もあります。

EMSに生産工程を委託する理由は、情報機器や通信機器を構成する要素に他社から仕入れている汎用デバイス(CPUやメモリなど)が増えたことや部品数が減ったことから、設計や組み立てによる性能の差別化が難しくなり、それに伴い価格競争が熾烈化したためです。

自社で工場を持たず外部に委託することで結果的にコストが下がり、経営資源を設備投資や技術投資から品質保証やアフターサービス、マーケティングに注力するようになりました。

情報機器・通信機器メーカーの主な職種

情報機器・通信機器メーカーの職種は企業やビジネスモデルによって大きく異なります。例えば、デスクトップPCのBTO(Build to order:受注生産)系メーカーは設計開発はあまり行わず、営業やマーケティングがメインとなります。情報機器・通信機器メーカーの中には販売寄り企業と設計開発、製造寄りの企業があるので、事前に企業研究をして把握しておくことが必要です。
ここでは、情報機器・通信機器メーカーによくある職種をご紹介します。

設計開発職

新技術や製品の研究や開発、設計を行います。情報機器、通信機器は部品が市場にありふれているので、企業ごとにどのような技術の開発に力を入れるかは異なります。通信技術や液晶表示技術、情報処理技術、部品の検証手法などの開発がされています。
設計は、市場を調査して需要に合わせた機器を設計する必要があります。そして、設計する際には、部品ごとの相性、必要な性能を考え、搭載する部品を選定する必要があります。

生産技術職

コストダウン、生産効率向上、品質向上等の生産プロセスの最適化のために、既存の生産技術の改善、新工法の研究開発を行います。
情報機器・通信機器は工場内で外部から仕入れた部品の組み立てが製造のメインとなるため、生産設備の中でも組み立てに関する設備の開発が主となります。
また、製造に必要な生産設備だけでなく、品質検査に用いられる検査装置も同時に必要となります。

製造技術職

既存の生産設備の保全や改善、トラブルが生じた場合の対応が主な業務です。また、生産技術職が検討した新工法やプロセスが確立できるよう新規生産設備の設計、導入にも関わります。この設備設計、導入は企業によって外注する場合もあります。

生産管理職

製造技術職が設備自体の保全をするのに対し、生産管理職は製品を生産するライン全体を管理します。
また、営業や開発設計からの生産依頼を基に、製品の生産する量、期間などを含む生産計画の策定を行い、納期の回答を行います。

品質保証・品質管理職

生産する製品の品質を一定に保ち、安定した品質を提供することを目的とし、製品があらかじめ定めた品質基準を満たしているかの確認、製造工程の管理・改善を行います。
特に、情報機器・通信機器は精密な製品であり、微細な不純物の混入が製品に大きな影響を及ぼすので、製造環境にも注意する必要があります。

情報機器・通信機器メーカーのおすすめポイント

これまで、情報機器・通信機器の概要から業界の特徴、主な職種を紹介してきました。ここでは、情報機器・通信機器メーカーの理系学生におすすめのポイントを紹介します。

需要が高い

近年、インターネット上のサービスやコンテンツが盛んであり、現代人の生活においてPCやスマートフォンなどの情報機器および接続に必要な通信機器は必要不可欠なものとなっています。

また、スマートフォンやPCの普及や通信インフラが充実したことにより、アプリケーションやソフト、クラウドサービスなどインターネットサービスの開発も盛んに行われており、サービスの運用に必要となるデータセンター向けの高性能なコンピューターも求められています。
さらに、DX化やペーパーレス、在宅ワーク推進などの影響から、IT業界に限らず様々な企業からの需要もますます高まっています。

将来的にも安泰である

インターネット産業の発達によって、スマートフォンやパソコンなどの情報機器及び通信機器は社会において重要な役割を果たしており、今後も無くなることのない安定した産業です。
また、半導体の技術開発も盛んに行われているので、それに応じてパソコンやスマートフォンなども数年単位で性能が代替わりしているため、常に需要があり、今後も変わらず続くと考えられます。

他にも、メタバースやAI、新たな通信規格である6Gなど新技術の開発も盛んに行われており、情報機器、通信機器の更なる発展が予想されます。
よって、非常に将来性の高い産業であり、今後、理系学生が働くであろう数十年間も安泰であるといえるでしょう。

社会貢献度が高い

情報機器・通信機器はインターネット産業の基であり、その他にもATM、レジのpos端末、カーナビなど、現代において無くてはならない社会基盤の1つであるといえます。
私たちの身近な生活を支えている製品の製造にエンジニアとして直接関わることで、やりがいを感じられる方も多いのではないでしょうか。

まとめ

今回は情報機器・通信機器メーカーについて、概要から、業界、職種、おすすめのポイントまでご紹介しました。

情報機器・通信機器は密接な関係にあり、どちらも情報社会に必要不可欠な社会基盤の一つです。
情報機器・通信機器メーカーを志すうえでは、企業ごとにどのような技術を得意とし、どのようなビジネスモデルをとっているのか企業研究をして把握することが大切です。

この記事を読んで情報機器・通信機器メーカーに興味を持った方は是非、説明会に参加やOB・OG訪問等をしてみてください。

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