あらゆる製造業を支えている「製造装置メーカー」の仕事内容やビジネスモデルをご紹介

2023年7月10日 更新

私たち消費者が購入している電子機器や食品、衣服などの商品は、様々な工程を経て作られています。これらの商品が完成するまでに携わる材料メーカー、加工メーカー、組立メーカー等の製造に携わる企業の多くが製造装置を用いて効率的な製造を行っています。

今回はこの製造装置を作っている製造装置メーカーに焦点を当てて、理系学生向けに分かりやすく解説します。

製造装置メーカーの概要とビジネスモデル

製造装置メーカーについて知っていただくために、まずは製造装置とはどのようなものであるかをご説明したうえで、製造装置メーカーの特徴やビジネスモデルについてご紹介します。

製造装置とは

製造装置とは、工場内の製造工程において、作業の効率化や安定した生産をするために活用される機械や装置のことを指します。
具体例としては、プラスチックを生成するプラスチック機械や、金属部品の加工をする工作機械などがあり、電子機器、機械、化学、食品メーカー等、様々な業界で幅広く活躍しています。

製造装置メーカーとは

製造装置メーカーは、文字通り製造装置の生産から販売までを行う企業のことで、製造業に属するあらゆる企業が顧客となります。
製造装置メーカーの特徴として、ビジネスモデルと業界の特性についてご説明します。

製造装置メーカーのビジネスモデル

製造装置メーカーのビジネスモデルを以下の図に示しました。

製造装置メーカーのビジネスモデルは、顧客から受注した要件を基に設計し、商社・材料メーカーから仕入れた材料・部品を加工して組み立てることで製造装置を作り、顧客に納品するという流れになります。

さらに、製造装置は非常に高価で10年〜20年程の長期間を利用するため装置の点検や修理が必要となります。
そのため、修理・メンテナンスをするサービスエンジニアが顧客の工場に赴き、アフターサービス料としても利益を得ています。

製造装置は、顧客の製造する製品や製法、工場の環境、作業現場などに合わせたものを作るので、基本的に受注生産になります。
よって、顧客の設備投資に左右されるので、景気の変動の影響を受けやすいという特徴もあります。

また、輸出産業であり、特に半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置などは世界で高い競争力を持っています。

製造装置の種類と用途とは

ここでは、製造装置メーカーのイメージをより鮮明に持ってもらうため、製造装置や機械には具体的にどのようなものがあるのかご紹介します。

食品機械

農産物、畜産物、水産物などの原料素材の加工に用いられる機械です。
食品機械には、食べ物を揚げるフライヤー、ドライフルーツなど食べ物を乾燥させる食品乾燥機、冷凍食品など食べ物を冷凍させる急速冷凍機、乳製品の乳化や飲料の攪拌など液体中の粒子を均一に加工するホモジナイザー、小麦や穀類などを粉砕して粉にする製粉機などがあります。 

木工機械

木材の加工に用いられる機械です。
木工機械には、木材を切って分離する切断機、切ったり削ったりする切削機、表面を削って滑らかにする研磨機、ドリルで穴をあける穴あけ機、圧力をかけて変形させるプレス機、作業時の粉塵を吸引除去する集塵機などがあります。

金属加工機械

金属の加工に用いられる機械です。金属塊を切削加工する工作機械と、プレスや鍛造、屈曲加工などを行う金属加工機械があります。

工作機械には、回転させた材料に刃物を当てて円柱に削る旋盤、固定した材料に回転させた刃物を当てて削るフライス盤、砥石を当てて表面を削る研削盤、ドリルで穴をあけるボール盤、歯車の形に削る歯切り盤、多種類の加工が行えるマシニングセンタ、放電の熱で溶かして加工する放電加工機などがあります。

金属加工機械には、金属材料を金型に挟んで圧力をかねて成形するプレス機械、熱した金属に圧力をかけて成形する鍛造機、線材を曲げて成形するワイヤーフォーミングマシン、鉄板を曲げるベンディングマシン、ガスの燃焼熱で金属を溶かして接合するガス溶接機などがあります。

プラスチック機械

プラスチック(合成樹脂)の加工に用いられる機械です。
プラスチック機械には、溶かしたプラスチックを金型へ流し入れて固める射出成形機、溶かしたプラスチックを押し出してチューブ状に成形する押出成形機、溶かしたプラスチックを金型に入れて空気で膨らますブロー成形機などがあります。

パルプ装置・製紙機械

パルプや紙の製造に用いられる機械です。
アセテートなどの化学繊維や紙の原料となるパルプは、木材を機械的・化学的処理によりほぐして、残ったセルロース繊維を水に懸濁した状態や厚紙状にすることで製造されます。

パルプ装置には、木材チップを溶かす蒸解釜、パルプに含まれる異物を分離するスクリーンなどがあります。
製紙機械には、パルプの懸濁液から繊維分を抄く(薄く延ばす)抄紙機、紙の表面に薬品を塗布する塗工機、抄紙機で作られた紙のロールを適切な幅にカットするワインダーなどがあります。

半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置

半導体・フラットパネルディスプレイ(液晶・プラズマディスプレイなど)の製造に用いられる機械です。
半導体・フラットパネルディスプレイはフォトリソグラフィという、シリコン基板やガラス基板に光を当てることで回路を形成することで製造します。
製造工程が膨大であり、多くの機械を必要とします。

半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置には、薄膜を形成するスパッタリング装置・CVD装置、光に反応するフォトレジストという薬品を塗布するスピンコータ、フォトレジストに光を当て回路を形成する露光装置、基板上の薄膜を削るエッチング装置、イオンを注入するイオン注入装置、フォトレジストを除去するアッシング装置、表面を研磨するCMP装置などがあります。

産業用ロボット

製造工場などで用いられる機械です。加工や組立作業の自動化に貢献しており、多目的なアームを持つ機構のものが多いです。

産業用ロボットには、関節が多く複雑な動作をする垂直多関節ロボット、水平方向への動作が得意なスカラロボット、製品を吸着して搬送するパラレルリンクロボット、シンプルな構造で安価な直交ロボットなどがあります。

製造装置メーカーの主な職種 

製造装置メーカーの概要や具体的にどのようなものを指すのかご理解いただけたかと思います。
ここからは、製造装置メーカーの職種をご紹介します。

ひとえに製造装置メーカーといっても非常に幅広く、職種についても企業の大きさや取り扱う装置によって異なります。
特定の製造装置メーカーの職種について詳しく知りたい方は、企業のホームページやインターンシップなどで確認することをお勧めします。
ここでは、製造装置メーカーによくある職種について取り上げたので参考にしてください。

技術開発

製造装置の主要な構成要素の技術開発が主な業務となります。
主要な構成要素の具体例としては、、レーザー加工など光を扱うものであればLEDやレーザーダイオード、流体を扱う装置であればポンプ、物理的に加工する装置であればアクチュエータなどです。

また、情報通信技術による工場の自動化に注目が集まっていて、多くの企業が制御ソフトウェアの開発に力を入れています。

機械設計

顧客からの要望を満たせるように製造装置の構造を設計します。
製造装置は基本的にオーダーメイドであるため工場のスペースや耐えられる重量などを含めた顧客の環境に合わせ、製造装置の種類・方式、形状などを考慮して設計する必要があります。

単に仕様書の設計を満たすことを考えるのではなく、顧客の真に求めるものを追求する姿勢が顧客満足度につながります。

電気設計

製造装置の電気回路を設計するのが主な業務です。
装置の動作を制御したり、電気を運動や光に変換するために電気回路は必要不可欠です。
製造装置を制御するうえで、製造装置の機械構成や動作に合わせた設計をする必要があるため、機械設計との連携が重要になります。

また、工場で用いられる製造装置は製造工場で24時間運転し続けるような消費電力が大きいものが多いため、電気設計において最適な設計やより消費電力を少なくする工夫が求められています。

生産技術

機械設計、電気設計が設計した図面を実現するためのプロセス・生産方式を考え、設備や生産ラインの立ち上げを行います。
また、既存の設備の維持管理や改善を行い、生産プロセスの改善による歩留まり向上や、設備安定稼働による品質の維持などを目指します。

製造

自社工場の製造設備を用いて、製造装置や構成する部品の加工、組み立て、検査等を行います。ミスなく製造することによる製品の品質向上や、製造を効率的に行うことによる納期短縮を目指します。
製造現場の視点での意見を設計にフィードバックすることも重要な役割です。

サービスエンジニア

製造装置は10年〜20年くらいの長期間にわたって使用されるため、定期的に取引先を訪問し、点検・修理・改良などを行います。
製造装置に関する知識や技術のほか、顧客との関係構築や円滑なコミュニケーションをとることも必要とされます。

営業

取引先となるメーカーに出向き、自社の製造装置の提案や販売交渉を行います。
また、単に販売交渉をするだけでなく、製造現場において顧客の抱えている課題や問題点を理解したうえで、課題を解決する手段として製品の提案をする必要があります。

このことから、営業力やコミュニケーション能力はもちろんのこと、技術的な知識も必要になってきます。
そのため、営業の技術的な知識を補うために、技術系のエンジニアが技術営業としてサポートすることもあります。

購買・調達

製造装置を提供するために必要となる原材料、部品、付属品、防錆材・塗料、梱包材などを国内外から調達します。
必要な材料やその取引先は多岐にわたるため、製造装置や材料への知見はもとより、取引先の生産能力や財務状況を考慮することも必要になります。

製造装置業界の理系学生におすすめポイント

製造装置業界が理系学生にとっておすすめであるポイントをご説明します。

専攻分野の知識を活かしやすい

製造装置の種類は膨大であり、あらゆる業界の企業が顧客となります。そのため、機械設計に必要な機械、電気の知識をはじめ、顧客によって生物、化学、物理、情報など様々な分野の知識が必要となります。
したがって、理系学生の専攻分野の知識が生かしやすい分野であるといえます。

需要が安定している

各販売先の企業の設備投資による波はあれど、製造装置はあらゆる業界の顧客に販売しているため、安定した需要が常に一定数存在しています。また、新規設備納入だけでなく、既存の設備のメンテナンスや生産工程のソリューション提案などによって収益を得る仕組みもあります。

また、5GやIoTの発展に伴い、ビックデータやAIを製造現場へ活用するスマートファクトリー化の動きにより、製造装置業界のさらなる成長にも期待が高まっています。

まとめ

今回は、製造装置業界に焦点を当てて、製造装置の概要や種類、メーカーのビジネスモデルや職種、おすすめのポイントまでご紹介しました。
製造装置業界に皆さんが直接かかわる機会はあまりないと思いますが、裏から社会を支えている製造装置の存在は無くてはならないものです。

この記事を読んで製造装置メーカーに興味を持った方は是非、説明会に参加やOB・OG訪問等をしてみてください。

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