機械系は就活に有利?機械設計職の仕事内容と就職先についてご紹介します
みなさんは「機械設計職」という職種をご存知でしょうか?
メーカーが機械を作る際、工場で製造をする前段階として、機械設計や電気設計といった設計を行うことが必要不可欠となります。
今回は機械設計職について、実際の仕事内容から機械設計職が求められている業界、機械設計職のおすすめポイントについてご紹介します。
「機械系が就活に強いことは知っているが、実際何をやるのか、どんな業界で働けるかは分からない」という機械系の学生は、この記事を通して理解を深めてみてください。
機械設計職とは
機械設計職は、効率的で安全な機械を作るために、機械の全体像の設計や、詳細である部品や組み立ての詳細を決定する職種です。
機械設計をすることで製品の企画段階のアイデアを具体化し、実際に工場で生産可能な状態へと進展します。
機械を製造しているメーカーだけでなく、製造に機械を用いる様々なメーカーで活躍している、ものづくりには欠かせない職種です。
機械設計職の仕事内容
ここでは機械設計職の仕事内容について詳しくご説明します。
機械設計は概念設計、基本設計、詳細設計という段階を経て行われます。
概念設計
概念設計は、機械設計プロセスの最初のフェーズであり、製品の基本的な方向性と枠組みを定める段階です。
ここでは、製品のコンセプトや使用者のターゲット、目標スペック、予算、開発期間、全体の機能やレイアウトなどの構想が決められます。
機械設計者は、顧客のニーズだけでなく技術的な実現性を考慮しながら、製品の基本的な設計方針を策定します。
基本設計
基本設計では、概念設計で作成された内容をより具体化します。
製品の目標スペックを満たすために、部品のサイズや形状、材料はどのようなものを使用し、どのような仕組みで動作させて求められる機能を果たすのか、配置はどのようにするかといったことを決定します。
基本設計は製品の機能性、安全性、信頼性に大きな影響を与える重要な役割を担います。
詳細設計
詳細設計では、基本設計で決定された仕様に基づいて、製品の設計図を作成します。各部品の寸法、形状、配置、材料の詳細などを精密に設計します。
具体的には、組み立て図、部品図、部品表(BOM)、作業指示書などを作成します。
・組み立て図:製品を構成する各部品の配置と関係を示し、組み立て工程のガイドとなります。
・部品図:個々の部品の詳細な寸法、形状、材料を記載し、正確な部品製造を指示します。
・部品表(BOM):製品製造に必要な全ての部品や材料の一覧で、購入部品の発注や在庫管理に不可欠です。
・作業指示書:製造工程や組み立て工程の詳細な手順や方法を記述し、製品の品質と一貫性を保証するために使用されます。
これらのドキュメントは、製品の製造と組み立てのプロセスを効率的かつ正確に行うために重要な役割を果たします。
詳細設計には、CAD(コンピュータ支援設計)ツールによる使用が不可欠であり、部品や組み立ての3Dモデルを作成します。
3Dモデリングをすることで、設計が直感的に理解できるようになり、また、設計の変更を容易にすることができるようになります。
電気設計との関わり方
機械設計では、製品の物理的な構造、動力伝達システム、材料選定などが焦点となるのに対し、電気設計では製品の電子回路、制御システム、電源管理などに焦点を当てています。
順序としては、機械設計が先行して機械の構造や外観が決まり、その物理的な制約を満たすように、配線設計や電気部品の配置などの電気設計が行われます。
他にも、原価計算や仕様の確認など、さまざまな場面で機械設計と電気設計は連携をとって機械の設計が進められます。
電気設計の仕事内容を詳しく知りたい方は、「手に職をつけられる需要の高い職種 「電気設計職」をご紹介します」を是非ご覧ください。
機械設計職が求められている業界
ここでは、機械設計職が求められている様々な業界について分類してご紹介します。
完成品が機械系の製品であるケースと、完成品は機械ではなく、製品を作る設備やプラント製造に関わるケースに分けられます。
完成品が機械系の製品である業界として、自動車業界、家電業界、OA業界、通信機器業界、医療機器業界、航空宇宙業界などが挙げられます。
製品を作る設備やプラント製造に関わる業界としては、化学プラントを設計する化学製品業界、食品加工機械を設計する食品業界、発電所等を設計するエネルギー業界、建設機械や建物内の設備設計をする建設業界、重機や化学プラントなど大型機械全般を製造する重工業業界などが挙げられます。
ここで挙げたのは一例ですが、多くの業界に機械系の職種があり、機械系の学生がいかに求められているかが分かるかと思います。
機械設計職志望者に求められる能力
ここからは、機械設計職を志望する理系学生に求められる能力についてご説明します。
機械工学の基本的な知識
機械工学の基本知識である4力学(材料力学、機械力学、流体力学、熱力学)はどの業界においても求められる基礎知識になります。
それぞれの学問が、機械設計において大まかには以下のような役割で活かされます。
・材料力学:頑丈な機械を作る
・機械力学:機械の動作を制御する
・流体力学:水や空気などの流体の影響を測る
・熱力学:機械の熱管理やエネルギー変換
CADなどのモデルソフトの知識や利用経験
機械設計の業務には、CAD(Computer Aided Design)と呼ばれるソフトが使用されます。
CADを使うことで、精密な設計図の作成や3Dモデリングをすることができます。
一般的にCADは難しいといわれることが多く、使いこなすまでには時間がかかります。研究や授業などでCADの知識や利用経験があると、有利に選考を進められるでしょう。
論理的思考力・説明力
複雑な要件の中で設計をしたり、問題を解決する際に論理的思考力が求められます。
また、設計は自分一人で進める作業ではなく、チームや関係部署とコミュニケーションを取りながら進める必要があります。その際に、なぜそのような設計にしたのかを相手が分かるように説明する必要があるため、論理的思考力に加え、論理的説明力も重要となります。
機械設計職のおすすめポイント
就職先が豊富
先ほどもご説明した通り、様々な業界で機械設計職が求められており、就職先が豊富であることは大きな利点です。
機械系の学生が就職先としてイメージしやすい自動車業界や重工業業界以外にも食品業界や建設業界など様々な業界で求められており、機械系の就職先としてイメージがない業界だと就活における競争率が低いといったメリットもあります。
多様な業界に関われる
就職先が豊富であること以外にも、多様な業界から求められていることによるメリットがあります。
多様な業界で活躍するチャンスがあることで、自身の興味のある業界や製品から就職先を決めることができます。興味があり情報収集が苦にならない業界で働くことは、前向きに働くうえで重要な要素となります。
また、機械設計としてのスキルがあれば他業界への転職をすることも可能なため、1つの業界に依存せず、キャリアを安定させることができます。
手に職をつけられる
機械設計には専門的な知識とスキルが必要であり、業界全体としては人手不足の状態が続いています。裏を返すと、機械設計の知識は一度身につけると食いっぱぐれにくい専門性だといえるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
機械設計職の概要から、仕事内容、求められている業界、求められる能力、おすすめポイントまでご紹介しました。
機械設計職の役割は効率的で安全な機械を作るために、機械の全体像の設計や、詳細である部品や組み立ての詳細を決定することであり、設計の手順を大まかに説明すると、概念設計→基本設計→詳細設計となります。
機械設計職のおすすめポイントは、専門性の高さから手に職をつけられることと、多様な業界から求められており就職先が豊富にあることです。
そのため、設計する製品への興味から就職先を選んだり、機械系の学生の就職先としてイメージのない穴場の業界を狙うなど、様々な観点で就職先を決めることができます。
この記事を読んで機械設計職に興味を持った方は是非、説明会の参加やOB・OG訪問等をしてみてください。
職種名は同じでも企業によって担当範囲や業務内容は変わるため、職種名だけでエントリーするのではなく、その企業では具体的にどんな業務を担当しているかまで調べたうえで応募するようにしましょう。
また、リケシュウでは理系学生の就活を企業探しから、選考対策までを一貫してサポートしています。
機械設計職に興味があるけど、どのように就職活動を進めていいか分からない方や、選考対策を行ううえでサポートを受けたい方は下記をご覧ください。
スカウトで就活を有利に進めよう
リケシュウでは、理系就活における記事を多数掲載しており、またカンファレンスからES・面接対策まで大小さまざまな理系に特化したイベントに参加することができます。
また、リケシュウに登録すると平均5社以上のスカウトを受けることができ、就活を安心して進めることができます。
ただ5社のスカウトを受けるわけではなく、各専攻の方の状況、志望領域に合わせた5社のスカウトを受け取ることができるため、就活をかなり有利に進めることができます。
みなさまの就活を応援しています!